映画:ハッピーフィート
「ハッピーフィート」観て来ました。皇帝ペンギンが歌って踊るミュージカル風CGアニメ映画。ペンギン好きなワタシには外せない作品です。メルヘンチックな作品なのかなと思っていたのですが、いざ作品観て見たら意外や意外、環境問題や人間の行いに対する問題提起が盛り込まれた「考えさせられる」作品でした。
ストーリー構成も良かったですが、3DCGの映像の技術向上は目を見張るものがあります。ペンギンが氷山から落下するシーンや海中を泳ぎ回るシーンの映像は迫力満点!キャラクターの表情、動きも見事。スムーズで表現多彩、まるで違和感なく自然に普通の映像のように感じてしまいます。
そして、この作品を通じて個人的にいろいろと痛感させられました。
ひとつは「南極へ行くという」行為について。少々お高いのですがそういうツアーが存在するのです。皇帝ペンギンの姿を見に、人生で一度は南極へ旅行したいと常々思っていたんですが、考えが揺らぎました。
彼らにとって人間は変なエイリアン以外の何ものでもなく、彼らの近くへ私達が近づくには大型船に乗って彼らの生活領域の海へ乗り込まなければならない。(映画ではヘリで乗り込んでましたが、実際には天候や磁場の問題などがあり困難なはず)観測隊が必要最小限のアプローチをする分には仕方ないと思うけれど、これが観光化し、頻度が増せば、海を荒らすし、ゴミも増えるでしょう。彼らにとっては悪いことばかり。神聖な地に行きたいという思いと汚してはならないという思いが葛藤しています。
それから、動物園・水族館について。南極を離れ未知の土地に辿りついた主人公ペンギンのマンブルが水族館に保護され展示施設に入れられるのを見て、胸が締め付けられるような思いがしました。彼の視線から捉えた展示施設がすごくリアルで、外から見ている人が自分なのかと思うとゾッとします。壁に描かれている風景に向かって妄想をして激突するシーンなどは、あまりに悲しくて泣いてしまいました。
それからそれから、ダンスを踊ることから観察目的の為、マンブルは故郷に帰され「ハッピー」だったのですが、それにまつわる人間の行為の醜さが嫌でした。「踊るペンギン」が他にも居るなら・・・「金儲けができる」といった発想で人間達が動き出す。ストーリー的には、彼らを保護する為に魚の乱獲は止めようと人間達が結論し、マンブルが訴えたかったことが得てして適うのだけれど、彼らを見ようと人が大勢押し寄せるような状況が起こらないとも限らない。そういったところを考えさせられるテーマの深い作品でした。
| 固定リンク
コメント
こんばんは。私もこの映画は注目してました。
予告では、楽しい、明るいを前面にだしてますが、実際はテーマが随分掘り下げているのですね。どうしても、行かねばならない人もいますが、できることなら人間は、入ってはいけないのかも知れないですね。
投稿: いまちゃん | 2007/04/15 22:11
>いまちゃん
コメントありがとうございます。
そう、そうなんです。できる事なら彼らの神聖な地へ人間は入り込むべきではないのです。マイナス40℃に達する極寒での繁殖を選んだ彼らに干渉すべきではないのですよね。でも、あのコウテイ雛の可愛さ・・・生で観てみたい想いと葛藤するのですよ・・・(^^;
投稿: あきら | 2007/04/15 22:28