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2014/08/14

フクロウを扱う店の是非についての考察(ひとりごと)

※注意 長文になってますので、お暇な方だけお読みください。

フクロウを扱う店の是非についての考察(ひとりごと)

先日、某SNSにて、コメントを交わす中で、フクロウを扱う店の是非について討論になりかけた。その場では私は肯定的なコメントをしていたのだが、実は頭の中では、肯定と否定と両方の考えが混沌としている。今一度頭の中を整理しておくために、冷静に考えておこうと思う。


まずは、自己分析。
私は鳥が好きで、フクロウにも興味があり、フクロウを扱う店、都内の2軒のフクロウカフェへ足を運んだことがある。(以降、フクロウを扱うお店=フクロウカフェで表記)その内の一軒には、週2回のペースで通っているほど。


但し、そこでのお目当てはフクロウではなくオウム。通っているお店には、フクロウの他、インコ・オウムも居る。
その中の一羽のオウムに惚れてしまい、足繁く通っている。もちろん、他の鳥たちに会うのも楽しい。フクロウについても、時折入荷される雛の可愛い姿が目にできるのをとても楽しみにしている。


私がこんなに鳥たちを好きな理由について、
幼少時、私の実家では小鳥(セキセイインコ)を飼っていた。そのことが影響して、今でも鳥が好きなのだと思う。


フクロウについては猛禽類であるものの、鳥の仲間として親しみを感じている。通常は、動物園など特別な施設でしかお目に掛かれないはずの猛禽類。フクロウカフェでは、すぐ間近で見られ、さらに腕に乗せたり、撫でたりできる。これに惹かれてお店に通い始めた。


そして、もうひとつ、鳥の中でも特別な位置づけとしてペンギンが好きである。フクロウと同じく、小鳥とは一線を画するが、その愛らしい行動・しぐさに愛着を感じる。


一時、SNS(mixi)が流行り始め、自分が興味のあるコミュニティに参加し始めた際、ペンギン関係のコミュニティに加わった事がきっかけで、ペンギン好きがエスカレートした。


また、私は物を描いたり創ったりするのが好きで、近年では陶芸に没頭しているのだが、その制作で、ペンギンを始めとした鳥をモチーフとした作品を創っている。


前段はこのくらいにして、本題に入る。

「フクロウカフェの是非について」
・お店でフクロウを展示/販売する行為の可否
・客がフクロウをペットとして購入し飼育する行為の可否

これらに関する問題提起(以下7つ)を挙げ、それらを検証してみる。

1. 夜行性生態の問題
2. 肉食生態の問題
3. 病気の問題
4. 寿命の問題
5. 飼い主のモラルの問題
6. ペット適正の問題
7. 販売・取引の問題

1.「夜行性生態の問題」について、
まず、フクロウには多くの種があり、全ての種が同じ生態ではないのを承知の上、殆どの種が夜行性であろうという前提で話を進める。


夜行性の鳥を昼間展示するのは鳥に負担なのでは?という疑問を人から投げかけられたことがある。私も当初お店(フクロウカフェ)で同様の質問したように思う。その問いに関して、お店の方からはおおよそ次のように回答を受けたと記憶している。


> 自然環境化では、次の2つの要因により夜行性生態である必然性がある。
> 1. 外的からの保身。 2. 捕食動物が夜行性生態。
> 飼育環境下では、これらの必然性が無い為、
> 人間と同じリズムで生活する事に慣れてしまえば問題ない。との事。


慣れると言う事で私は納得しているが、できる限り、本来の生息環境に近いほうが良いであろうとは思う。


2.「肉食生態の問題」について
こちらも多くの種が、ネズミやうずらなどの動物の肉を食べるという事を前提で話を進める。

餌となる食肉の確保については、どこでも手軽に手に入るものではないが、昨今流通が便利になり、入手しやすくなっている。とは、言っても災害時など流通が止まり、電気も止まり、冷蔵・冷房が使えない状況になった場合、給餌できなくなるリスクはあるが、ソーセージなど代替品である程度はしのげる。こういった状況を加味すると、簡単ではないが、困難とまでは言えないと思う。


3.「病気の問題」について
もし病気をした場合、一般的な動物病院・ペットショップの多くは、フクロウの診察は未経験。その為、適切な診察・治療を望めない。現状、飼い主のみなさんは、購入したお店に頼っている。メンテナンスといって、ツメ切りをするなど定期的に購入したお店へ往訪している。そしてお店は、病気の相談にも親身に応じてくれるので、安心して任せられる。


4.「寿命の問題」について
小型から大型まで多種多様ではあるが、概ね小鳥に比べると長寿命と言える。飼う場合には、自身の死後に残される愛鳥の身の振りを考えておく必要がある。


5.「飼い主のモラルの問題」について
・飼いきれなくなって、放棄してしまう。(自然に放してしまう)
・適切に飼育できず、死なせてしまう。
・所有欲を満たす為に購入され、多頭飼いの劣悪な環境で飼育される。

等々、でもこれらはフクロウに限らず、ペットを飼う人全般の課題。飼いきれなくなったペットをレスキューするNGOなど様々な団体が存在する中、対象がフクロウの場合はどうなのかというと、今のところ飼えなくなった場合、お店で引き取るケースが多いようです。

高価で、飼育法が特殊という点から、元々お店と購入者間の繋がり・信頼関係が大きい為、レスキューに至るようなケースは皆無の模様。ただ、将来的に、フクロウのペット個体が世の中に増え続ければ、レスキューが必要なケースが発生する可能性は否めない。


6.「ペット適正の問題」について
犬・猫・小鳥など、ペットとして飼われる動物は、昔からその飼育や繁殖を確立されているものがあり、ブリーダーにより、ペットとして交配され進化してきた動物が多い。

そんな中、ここ最近になって「フクロウをペットとして飼う」という動きが出始めた。ペットとしての物珍しさ故、興味本位に喰いつく人も少なくない。実際、メディアもネタになると挙って発信した為、世間一般にも「フクロウのペット化」が広く周知されつつあり、フクロウをペットとして買い求める人も増えている。

そして実際のところ、ペットとしての適性の可否は、どちらかと言えば可であろうと思う。販売されているフクロウはペットとして販売する為に、ブリーダーの元で繁殖した個体が卸されている。

その為、人や人の生活環境に慣れており、生態・性格の面、飼育方法の面と難易度はそれほど高くない。
(因みに、市場に出ているフクロウ個体は、ブリーダーの繁殖による個体が殆どであるが、一部、ワイルド(野生個体)も存在する。)


但し、注意点としてフクロウはただの鳥ではなく「猛禽類」である事を忘れてはならない。小動物を捕獲・捕食する生態の持ち主であり、ペットとしての交配・繁殖の歴史が浅い事もあり、犬・猫などに比べて、野性味が強い。
一般の人がペットとして飼うには、細心の注意が必要であり、知識・経験が豊富なアドバイザー(購入店)のバックアップも不可欠である。


7.「販売・取引の問題」について
そもそもフクロウを販売・取引する事に問題はないのか?
そして、それ以前に捕獲・飼育をして問題はないのか?
これらについて調べ、考えてみる。

日本国内に於いては、
野鳥の捕獲・飼育に関し、法令による様々な規制が存在する。全面的に禁止ではないものの、野鳥の捕獲・飼育はほとんどの場合、認められない。(諸条件が多々あるが、ここでは割愛する)

日本に生息する野鳥をペットとして飼うのが困難な為、日本国内でペットとして流通・飼われている鳥たちは、
外国からペットとして輸入され、繁殖されたものが広く流通し、現在の状況に至っていると思われる。これらの外国種の取引・飼育は、規制の対象とはならない。


フクロウに関して、正確な経緯は存じないが、ペット用の鳥と同様に外国からペットとして輸入し、ブリーダーが繁殖させたものが、国内ブリード種として、最近流通し始めているものと思われる。この推測どおりであれば、これも規制の対象とはならない。

だが、法令面で問題なくても、現実的に全く問題がないかというとそういうわけでもない。

上記「7.」の問題から、ちょっと話を広げ、外国種による自然生態系の破壊の問題を検証してみる。

「野鳥」に関する規制による皮肉な悪影響として、ペット鳥類外国種による自然生態系の破壊の問題がある。

法令規制の為、日本国内のペット鳥類の殆どが元々外国種である。昨今、ペット鳥類の野生化が問題になっているという話を耳にする。逃げられてしまったもの、故意に放したもの、それらが自然環境化で野生化し、日本各地で繁殖している。これはフクロウに於いても、いずれ同様の事態が発生する可能性は否めない。


と、ここまで検証した結果、個人的な見解では、「フクロウカフェ」は他のペット鳥類を扱っているカフェ、もしくはペットショップと差はない。また、フクロウを飼うことも他のペット鳥類を飼うことと差はない。という考えに至る。
そして「フクロウのお店での展示/販売、個人での飼育」について、可否どちらかと問われれば、ペット鳥類全般扱いという認識で、可と考える。


ただし願わくば、フクロウなど猛禽類はペット化させずに、自然のまま放っておくべきとも思う。だが現状では、ペットとしてブリーディング・流通が定着している以上、これを抑え込むことはできない。節度ある流通、販売、飼育を願うばかりである。


フクロウの話から、ちょっと脱線するが同じ鳥類の「ペンギン」のペット飼育・展示に関しても触れておきたい。

個人での飼育、お店での展示は、個人的な見解では、すべきではないと考える。その大きな理由は、ペンギンがフクロウ以上に特殊な生態の持ち主であるということ。

ごく僅かではあるが、ペットとして流通しているペンギン個体があり、それらは、温帯に生息する種「ケープペンギン/マゼランペンギン」が主である。彼らは陸上で、営巣するものの、主な行動範囲は海になる。朝から夜まで泳いで捕食をする。場合によっては、夜でも陸に上がらず、海で泳ぎ続ける(海上に浮かんで休んだりする)。そんなワイルドな生態の持ち主なのである。

もし彼らに、より快適な飼育施設をと考えるならば、水族館・動物園ばりのプールが必要になる。そんな施設を設置・維持することは、一個人・一店舗では、到底賄えきれない。

ペットとして流通・飼われているペンギンは、その多くが廃園になった水族館・動物園からの流出個体。稀に漁業の際に一緒に網にかかった個体を持ち帰えり、ペットとして飼われている場合がある。ペットとして繁殖、ブリーディングし、流通させているような話は聞いたことがないので、ペンギンのペット化が拡大しないと予想されるのが救いである。市場にいる個体や現在個人で飼育されている個体が、少しでも幸せに暮らせるよう祈るばかりである。


ペンギンを例に出したのは、個人的な思い入れもあるが、自分の中での比較対象として表したかった為である。

ペンギンの個人飼育(店舗展示)は、許容できないが、フクロウの飼育(店舗展示/販売)は、許容範囲という私の見解を表す為でした。

長文になりましたが、「フクロウカフェ」に関する考察でした。

以上

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コメント

どんな生き物であっても、彼らの命を引き受けるならば出来る限りの環境を整える責任がある、それは特殊な鳥でもありふれたセキセイインコでも、同じことだと思います。
それが、猛禽さんやペンギンではセキセイよりも、ちと難しいけど、難しい事だと深く考えずに飼い始めちゃう人たちが一部いること、カフェはそのハードルをちょこっと下げてしまっているという事が、問題と言えなくもない、かなぁ…。啓蒙や指導をしっかりしてくれているなら、問題ないはずです。
木場のカフェから、小さなコキンメフクロウ逃げちゃったそうですね。フクロウの商業利用以前の問題ですが、一般化していくと言うことは、こんな事が増えて行くということでもあり、やっぱりこれ以上はお店は増えないで欲しいなぁと思っちゃいます。本当言うと、気軽に鳥と戯れられる場所で遊んでみたいんですけどね(^^ゞ

投稿: そらゆき | 2014/08/15 22:36

>そらゆきさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。♪( ´▽`)
仰る通り「買い求める人」の認識・意識が問題なのです。現実のお話、お店側も「この人はダメ」と思った人には、欲しいといわれても、お断りしているそうです。(木場のカフェ)
木場のカフェでのコキンメ逃走の件は、確かに今後同様の件が起こりうるという事例になってしまいましたね。
多くのペット小鳥さんでも、時折逃走の話を耳にしますが、やはりそれと同様のリスクがあるという事です。
インコなどの小鳥と全く同じレベルに一般化してしまうのはどうかな~という懸念はワタシも持っています。
気軽に鳥と戯れられる場所・・・これは、これでアリだとワタシは思っています。花鳥園とかね。花鳥園ではフクロウの扱いは慎重ですけどね。

投稿: あきら | 2014/08/15 22:59

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